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内装工事でアスベスト調査が必要な理由とは

近年、内装工事に伴う「アスベスト調査」が義務化され、多くの施設・マンション管理者が対応に追われています。見た目では判断できないアスベスト建材が、健康被害や法令違反のリスクをもたらす可能性も。本記事では、アスベストが使用されている建材の種類や調査が必要となる条件、調査の流れと対応方法までを分かりやすく解説。安全・安心な内装工事を進めるための基本知識を押さえておきましょう。
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内装工事でアスベスト調査が必要な理由
アスベストが使われている建材とは
1970年代から1990年代初頭に建てられた建物には、断熱性や耐火性を目的としてアスベストを含む建材が多く使われていました。天井材、壁材、床材、配管の保温材など、私たちの身近な部分に使用されていた可能性があります。
飛散による健康リスクと周辺への影響
アスベストは目に見えない細かい繊維が空中に浮遊し、吸い込むことで肺がんや呼吸器疾患などを引き起こすリスクがあります。内装工事による破壊や解体で飛散すると、作業者だけでなく施設利用者や近隣住民にも健康被害を与える可能性があります。
アスベスト調査が必要となる工事の条件
80㎡以上の解体・改修工事
建築物の解体・改修において、床面積の合計が80㎡以上となる工事では、アスベストの事前調査が2022年4月から義務付けられています。これは内装工事で壁や天井を撤去・変更する場合も該当するため、面積の確認が重要です。
請負金額100万円以上の工事
工事の請負金額が100万円(税込)以上となる建築物や工作物の解体・改修工事も、アスベスト調査の対象になります。たとえ面積が小さくても、金額によって調査義務が発生する点に注意が必要です。
内装工事におけるアスベスト調査の流れ
事前ヒアリングと図面確認
まず、建物の築年や改修履歴をもとに、アスベスト使用の可能性を確認します。図面や仕様書などの資料を活用し、どの部分にアスベストが含まれている可能性があるかを精査します。
現地調査・試料採取
次に現地にて目視調査を行い、疑わしい箇所から建材のサンプルを採取します。採取は飛散リスクを抑えた安全な手順で実施し、必要に応じて複数箇所の確認を行います。
分析と報告書の作成
採取した試料は専門の分析機関で検査を行い、アスベストの含有有無やレベルを判定します。その結果は報告書としてまとめられ、施主や管理者に提出されます。これにより、今後の内装工事の対応方針が明確になります。
アスベスト含有が判明した場合の対応方法
除去・封じ込め・囲い込みの3工法
アスベストが含まれていると判明した場合、「除去」「封じ込め」「囲い込み」の3つの工法から適切な方法を選択します。除去は完全に撤去する方法で安全性が高い一方、費用や工期がかかる場合があります。封じ込めは薬剤などで飛散を防止する方法、囲い込みは物理的に隔離する方法です。建物の状態により方法が異なるため、お問合せください。
工期や費用への影響について
アスベスト処理は、通常の内装工事よりも工程が増え、工期や費用に影響を与える場合があります。また、専門業者による対応が必須となるため、事前のスケジュール調整や予算計画が重要です。法令に従って安全かつ適切に処理することが、施設運営や居住者の安心につながります。
アスベスト調査に関する注意点
有資格者による調査が必要
アスベスト調査は専門知識と技術が求められるため、必ず国や自治体が認定する有資格者が実施する必要があります。KANA TECHSでは調査員もいるため、調査から工事まで一貫して行うことが可能です。
法令違反時の罰則とリスク
アスベストに関する法令を遵守しない場合、罰則や行政指導の対象となります。違反すると工事の停止や損害賠償請求が発生する恐れもあり、事業者・管理者双方にとって大きなリスクとなります。安心安全な内装工事のために、法令遵守は必須です。
まとめ|安全な内装工事のために
内装工事におけるアスベスト調査は、施設やマンションの管理者にとって非常に重要な安全対策です。適切な調査と法令遵守により、健康被害や法的リスクを未然に防ぐことが出来ます。信頼できる有資格者による調査を依頼し、万が一アスベストが検出された場合も迅速かつ安全に対応することが、安心・安全な内装工事の成功につながります。